明治初期の歌舞伎界を舞台に、そこで起きた殺人事件とそれを解いていく若い女の子。解き明かされた謎は、なんだかとっても執念を感じるものだった。
歌舞伎なんてほとんど興味のない分野だったから、歌舞伎がわかっていたらもっと楽しめたんだろうなぁと思いつつ、文章中に簡潔な解説があるからわかりやすいと言えばわかりやすかった。なんとも面白い世界だ、歌舞伎。係わり合いになりたくはないけれど。
最初、河竹新七が犯人だろうと思って読んでいた。言動がいちいち怪しかったからなんだけれど、でも思いっきり作者に騙されていたなぁと最後まで読んで思う。いやもう、すごかった。ドキドキワクワク。読み終わったのが残念だった。
私が読んだのは文庫版。デビュー作の本作の前身の作品まで収録されていて読んだんだが、本作読んだあとだと残念な感じ。でもあの作品がここまで昇華されるってすごいと思った。