仕事以外

仕事以外で興味のある諸々の記録

冥府神の産声/北森鴻

脳死問題にまつわるミステリー。なんか結構怖かった。
闇色のソプラノ並みに救いのない話かも知れない。まあ、そっちよりは明るい終わり方だったが、個人が公権力に抗うのには限界があるということなのか。最後の方、ドキドキハラハラしすぎて精神的に少しよろしくなかった。
権力が近くなるほど、人間は非情になっていくのかな。だとしたらすごく悲しい。物語の中だけのステレオタイプな人物造形だったらいいなぁと思うけど、現実がそうだから、物語になるのかな。
脳死は重いな。家族の同意で臓器バラバラにされるようになっちゃったけど、私は臓器提供はしたくないし、されたくないな。自分や家族(主に子供の、かな。子供作れる段階にいないけど)の死を受け入れられる強さを持ちたい。私は特定の信仰を持っていないけど、医療の進歩にすがって予め持っていた寿命(運命?宿命?)に逆らいたくないから。もともと助からなかったものを無理矢理助けるのは、歪だと思うから。