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ベンジャミン・ブリテンへの追悼歌


Arvo Pärt - Cantus in Memory of Benjamin Britten ...

チラシの裏に書くべき思い出話をする。

バイオリンを習っていた頃があって、ある程度の曲が弾けるようになると強制的に「弦楽団」(要するに吹奏楽器がない=弦楽器だけで構成したオーケストラです)というのに入れられて、オーケストラ的な合奏を勉強させられた。なんとなくこのレベルまで来る人にはエリートが多い印象で、しかも学歴の高い方が多く、何をやってもチャランポランで底辺に居る劣等感の塊だった私は弦楽団なんて入りたくなかったし入ってからも苦痛だった。入るまで結構逃げ回ったんだけどねぇ・・・。

実際のところ、私はバイオリンは弾けるけど楽譜の読めない人間で、どうやって曲を憶えていたかというとCD聞きながら曲を憶えて、CDの通りに弾きながら楽譜に書いてあるポジション移動指示に従っていたという感じ。ずっとそんな風にしてきたので初見で弾いていくということが壊滅的にできない。聞いたことのある曲ならなんとかなるが、聞こえてきたメロディを憶えているだけなので、主に聞こえてくる1stバイオリンならなんとかなるけど2ndバイオリンなんて絶対無理。弦楽団の先輩たちや後輩たちは初見でスラスラ弾いてしまう人の方が圧倒的に多く、こんなの出来て当たり前な空気だったから、色々練習したけれど結局できるようにならなかった私は、弦楽団の練習が大嫌いでした。多分、今の私なら「できないものはしゃーない」と思いながらそれなりに工夫して腐らずにやっていけると思うけど、中学生・高校生だった私には無理だった。

そんな弦楽団で演奏した曲はどれもこれも苦々しい思い出しかなくて記憶から抹消している曲が多いんだが、入団当初に弾いたベンジャミン・ブリテンの「シンプル・シンフォニー」だけは、初めての練習で初見できなくて涙目になりながら、なんとかこの集団に食らいついていこうと思って頑張ったから思い入れがあって憶えている。最初は大嫌いだったけど、弾けるようになって好きになった曲でもある。

そんなベンジャミン・ブリテンのために作られた曲がリンク先のもの。バロック音楽みたいに割と形式にハマった感じの曲が好きな自分としては、こういう現代音楽は苦手なのだが、クサクサしながら楽譜を見ていてふと「for Benjamin Britten」の文字を見つけて、これはブリテンに向けた曲なんだと思ったら頑張ろうと思えて、結構本気で練習に取り組んだ曲です。弾けるようになって好きになった曲第2弾。ドラマで耳にしたような気がして(でも今思うと多分違う曲だ)、「for Benjamin Britten」の文字を見たことだけは思い出せたんだが曲名がまったく出てこなくて、手元に楽譜もないので探し出すのにすごく苦労した。苦労したから、ブログに記録しておこうと思って記事を書いている。暗いけどいい曲だし、8分程度の短い曲なので興味が湧きましたら是非。